蒸留は酒のためだけではなかった
古代にも蒸留に似た装置はありましたが、主な用途は香料や薬でした。アルコールを安定して濃縮する技術は、中世の地中海・イスラム圏・ヨーロッパで洗練されます。
初期の蒸留酒は嗜好品より薬として扱われ、『生命の水』にあたる名で呼ばれました。
土地の原料が酒を分けた
葡萄の産地ではブランデー、穀物地帯ではウイスキーやウォッカ、糖蜜の得られる地域ではラムが発達しました。東アジアでは米、麦、芋などを麹で発酵させて蒸留する酒が広がります。
同じ蒸留でも、原料、発酵法、蒸留器、熟成容器によって風味は大きく変わります。
交易と税が形を変えた
蒸留酒は腐りにくく、同じ体積で多くのアルコールを運べるため、長距離交易と相性が良い商品でした。一方で税を取りやすく、密造や取締りの歴史とも切り離せません。
樽熟成や連続式蒸留の普及は、現代のブランドと大量生産を形づくりました。


